こんばんは、お久しぶりです。
空撮事業の操縦士も兼ねる内生蔵です。
先日の撮影では、久しぶりに高度300mまで機体を上げました。
高度300mの画像(山の中なのでわかりにくいかも知れませんが)
私が機体を操縦するプロポ(送信機)には、機体の飛行高度が1mきざみで表示されます。
最低でも、操縦士(私)と撮影士(カメラコントロール)の2人で撮影します。操縦士は機体の操縦に専念し、撮影士からの指示により的確な機体コントロールが求められます。
撮影士は、機体からリアルタイムに送られる無線映像を頼りに地上モニタを見ながら的確なアングルにて撮影を行います。
操縦士と撮影士は同時通話のトランシーバにて交信しながら撮影を行います
上記の写真撮影時のやり取りです。
操(操縦士) : <高度150m時>「位置は?」
撮(撮影士) : 「もっと上がってください」
操 : 「はい」
操 : <高度200m時>「まだ?」
撮 : 「もっと上がってください」
操 : 「はい」
操 : <高度250m時>「まだ?」
撮 : 「範囲は入ってるんですけど、もっと上がったほうがいい画になるんですよねぇ~」
操 : 「あ、そう」
操 : <高度280m時>「まだ?」
撮 : 「もっと上がってください」
操 : 「もう280m超えてるけど…」
撮 : 「もうちょっと上がれます?」
操 : 「はい⤵」
操 : <高度300m時>「300mだよ」
撮 : 「撮影します。」
操 : 「はい」
~数分後~
撮 : 「今、機体どこにいるすか?」
操 : 「ず~っと上」
撮 : 「見えないんですけど?」
操 : 「めっちゃ小さいです」
~数分後~
撮 : 「撮影終わりました。降ろしてください」
操 : 「了解」
~降下<高度200m付近>~
撮 : 「止めてください!」
操 : 「あん?⤴」
撮 : 「この画も撮っておきたいですから!」
操 : 「はい⤵」
まぁ、こんなやり取りをしながら撮影してるのですが、高度300mまで常に上げられるわけでは無いんですよ。
気象条件とロケーションが合致しないと、300mまで上げるのは危険なので…
高度を上げること自体は、簡単なんですよ。
問題は降ろす時なんですよ~。
飛行時間は限られています。撮影後の飛行時間は残り数分。
高度が上がれば機体は小さく姿勢がわかりにくい。地上の様子や安全を確認しようとして、機体から目を逸らすと見失う場合もあります。
地上と上空の風の強さは、当然上空のほうが強いわけですが、目には見えない。
セットリング(機体が起こす下向きの風によって失速し落下する状態)に入らないように、旋回等を繰り返しながら徐々に降下させ着陸させます。
高度300mから降ろすには、それなりの時間と飛行範囲が必要ですから、私のプロポからは残り時間が迫ったことを知らせるアラームがピーピー鳴るし、気持ちは焦りそうになります。
一人孤独な戦いが続くわけですが、機体の挙動を注視し、残り時間に焦りそうになる気持ちを抑えながら操縦して無事着陸させました。
いや~ぁ、久しぶりに痺れました。
実は、この日、別の現場でも連続して高度300m撮影を何度も繰り返しまして、さすがに疲れました。
他所の業者では、自律航行等によって機械操作による着陸をする方もいます。当社の機体にも同様の装置を搭載していますが、あくまでもマニュアルコントロールで操縦しています。自動操縦を信用していないわけでは無いのですが、最終的には操縦士の経験による感覚かなぁと思って、マニュアル操縦を優先しているわけです。
最後に、最近撮影した写真の中で、いい写真だったなぁと思った画を紹介します。
地元を代表する旭橋と後ろに写る大雪山系旭岳がきれいに写ってますよね
同じく旭橋を見下ろした写真。こんな画も中々見ることが出来ないアングルです。
それでは、おやすみなさい。
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内生蔵 孝弘 |2014年6月15日
操縦士の嘆き